令和7年 先達研修会 報告

12月初旬、別格霊場会により開催された令和7年の「先達研修会」が、ホテルグランフォーレ(愛媛県四国中央市)を会場に、盛況のうちに行われました。主に二日間の日程で、多くの先達の皆さまが参加されました。


● 第一日目

  • 御詠歌講習
    まずは講師に十夜ヶ橋住職を迎え、御詠歌の講習が行われました。和やかな雰囲気の中、詠歌の歌い方や作法を一人ひとり丁寧に学びました。

  • 先達マイスター検定
    続いて、先達としての知識と技能を問う「先達マイスター検定」が実施されました。合格された方には、今後の先達活動に向けた励みとなる機会となりました。

  • 懇親会
    夜は懇親会が催され、参加者同士の交流が深まりました。先達としての歩みや、巡礼の思い出、今後の抱負など、和やかに語られ、親睦が一層深まりました。


● 第二日目

  • 四国別格二十霊場お砂踏み出開帳
    会場にてお砂踏みの出開帳が行われました。「お砂踏み」は、本来、お遍路でなければお参りできない霊場の功徳を、写し霊場や出開帳を通じて受けることができる伝統的な作法です。
    参加者はご本尊の写し仏の前で、各札所の砂を踏みながら礼拝し、心静かに巡礼の功徳を体感しました。

  • 先達物故者並びに回向・祈願法要
    昨年度までに先達としてご尽力くださった故人の慰霊と、参加者の祈願・回向の法要が厳かに営まれました。多くの参加者が深いご供養と誓いを新たにしました。

  • 特別講演
    講師に安田登先生をお迎えし、「能の謡い」に挑戦する講演を行いました。参加者全員で大きな声を出し、普段なかなか手に取らないお大師様の著書を読み解く時間もあり、終始笑い声が絶えず、和やかでありながらも心の奥に響くひとときとなりました。

  • 新任と現任の二手に分かれての講習会
    新任先達向けには香西寺住職、現任先達向けには箸蔵寺住職が講師を務め、それぞれの立場に応じた講義が行われました。参加者は皆、心から頷きながら熱心に耳を傾けていました。

  • 辞令伝達式
    新たに補任・昇補された先達の方々へ辞令が伝達され、誇りと責任を胸に新たな一歩を踏み出されました。


● 記念品について

今回の記念品として、参加者全員に「Tシャツ」と「サコッシュ」が授与されました。


今回の研修会も二日間の開催ができました。参加人数も昨年、一昨年よりも増えてきて、新型コロナ感染症の前に行われていた盛況を取り戻しつつあります。おかげさまで新任・現任を問わず、参加者一同が「先達」としての自覚と連帯を深める場となりました。

この研修会で得た学びとつながりを大切に、さらなる巡礼道の歩みを続けていくことを誓う――そんな力強い決意が、多くの参加者から聞かれました。

(写真提供:KTプロデュース高橋様)